【尊さの極み】「ちゃんと見て」と言い合う関係性が好き。『焦燥アンチトラガス』たけはらひなこさんインタビュー

2026年6月17日

焦れったくも美しい関係性と、読者の心を掴んで離さない心理描写で話題沸騰中の『焦燥アンチトラガス』。最新第6話の配信を迎え、物語の盛り上がりは最高潮に達しています。

今回は、本作の著者であるたけはらひなこさんにインタビュー。那月の「ファムファタール感」や茅の「男感」へのこだわりといったキャラクター造形の裏側から、ご自身が考える「BLの深い魅力」、そして執筆中のルーティンまで、たっぷりとお話を伺いました。

ーキャラクターそれぞれの「フェチポイント」や、こだわりのパーツ(手、鎖骨、目元など)はありますか?合わせて、おすすめのコマやページがあれば教えてください。

この作品はいかに那月からファムファタール感を出せるかに気を使ってます!退廃的だけどそこまで暗くしすぎず、カラッとしてるようなミステリアスさを意識してるつもりです。ファムファタールというのは相手から見てそういうふうに見えるというのが肝だと思うので…!

茅は可愛い攻めの中でもちゃんと男感が出るように編集さんにも攻めチェッカー(※編集注「攻め」としての魅力がしっかり出せているかの確認)をしていただいて頑張っています!

ー「このシーンだけは絶対に譲れない!」というお気に入りの場面を教えてください。

シーンというか最新話はかなり時間がない中でも、お気に入りの回になった気がします!「もう高校生じゃないよ、ちゃんと見て」と話す茅がお気に入りです。

それと、恋愛に傷つきたくない、恋愛で感情が大きく動くことに対して拒絶してそうな那月が、成長した茅に精一杯今の自分が答えれることを話すシーンとかもずるい答え方だなと思いつつも、いじらしく可愛いと思ってお気に入りです。

BLでもBLじゃなくてもですが「ちゃんと見て」「ちゃんと見てるよ」的な会話が好きなんですよね。

自分はもっとこういう人だよと、伝わってほしいという気持ちや見守っているからこそ知っているよという気持ち、会話してない分ここが上手く擦り合わせてなくて衝突し合うみたいな2人が本当に好きなんです。それを相手に伝えること自体勇気がいることではあるんですがこういうことで衝突し合うということはお互いを大事な人だと思っているという認識なのでとても尊いものだと思っています。

ぜひ、最新話6話読んでもらえると嬉しいです!

ーキャラクターを描く際に、一番大切にしていることは何ですか?

個人的に漫画のキャラは我が子ではなく他人なので、最近は行動原理とかはしっかり考えなきゃいけないと思って大事にしている部分です。特にコンプレックスを描く時、成長させる時なんかはここが曖昧だとテンプレートをなぞるだけの段取り芝居をさせてしまうんじゃないかと思い、編集さんとここはしっかりと共有したり相談したりして深ぼるようになりました。

あとはデザインでオタク的(私が)推せるかを大事にしてます。デザインでしっくりくると描いてて楽しいしそれが絵や話に反映されるので自分がピンとくるまであまり妥協しないことです。

ーたけはら様ご自身が思う「BLの魅力」とは何でしょうか?or はじめてBL作品に触れた時の衝撃を教えてください。

もともとブロマンスが好きで、恋愛しない2人の激重感情が大好きだったんですが、当時の商業BLはインモラルやバッドエンドが今よりもたくさんあった気がします。初めて読んだ時は同性愛というもの自体に背徳感があって、かなり興奮した思い出が………。

今では、同性愛のタブー扱いはだいぶ薄まってきているので可愛いBLハッピーエンドなどを好む方の人口が多いと思うんですが、時と場合によって読みたい雰囲気をガラッと変えて楽しめるのがBLのいいところだと思います。

疲れた時やイライラしてストレスがMAXの時は、可愛いもの、甘々、エロ、青春BLなどを読むし、BLをたくさん読んだあとはもっと捻ったの読みたいとなって バッドエンド、メリバなどを読むし、もっと拗れたものがいいとなると一般誌でやっているBLじゃないけど読み方によってはBLかもしれません?みたいな作品を探して読みます。

男の可愛いもかっこいいもアホなところも情けないところも同時に見れるのがBLのもう一つのいいところだと思います!

それから、恋愛感情じゃないけど、牽制や別れの意味でキスしてる2人もかなり興奮できて好きです(自己紹介)。

ー執筆中、気分を上げるためのルーティンはありますか?or ネーム(プロット)が行き詰まった時はどうしていますか?

文房具が好きなので最近はM6バインダーに好きな漫画家さんイラストレーターさんなどの絵を挟んだり読者さんの小さいお手紙挟んでみたり、とにかく私好みの可愛い手帳を眺めて今日のタスクを書き出し1日の始まりを意識してます。全然タスクこなせない日もあるんですが笑。

行き詰まったりする時は友達に壁打ちしたりしてますが…やはり究極は編集さんにはご迷惑おかけしちゃうんですが編集さんに相談and壁打ちです…。どうしたら面白いかどうしたらこの子は動くかなどを相談しながらあーでもこうでもないをしつつ、引っ掛かりを見つけます。商業でやる意味の一つでもあると思うのでなるべく編集さんを頼っちゃいますね…。

引っ掛かりを見つけたらそこをタネにして広げたりできるのでそのタネが見つかるまで2人でうーんうーんって悩んで相談してますね…いつも助かってます!

でも3時間以上相談したり悩んだりしてもタネが出てこない時は、いっそ遊びに行ったり本屋めぐったりして脳みそを一回休めたりで後日考えたりします!

☔️【季節の質問】☔️

ー相合傘をするなら傘を持つならどっち?

茅「もちろん俺が持ちます!こういうのは年下が持つものなので」

那月「案外後輩気質だよね…でも持つの下手だよな。茅の肩濡れてるし、いっそしなくてよくない?相合傘とか」

茅「風邪引いちゃうじゃないですか那月さんが…あと俺はしたいです。」

那月「受験生のが風邪ひいちゃダメでしょ…雨止むまでどっかで休めばいいだろ」

茅「な…那月さん!そんなっ俺まだ心の準備が」

那月「…高校生は元気でいいよね」

ー外出予定が雨で潰れた日、二人でどう過ごす?

茅「雨の日は那月さんの家で受験勉強教えてもらってます!」

那月「…隣で本読んでダラダラ教えてるね」

茅「…気になってたんですけど、いつもなんの本読んでるんですか?」

那月「…官能小説、エッチな本」

茅「…え!?」

那月「ばーか。うそだよ、ホラーとかミステリーとか読んでる」

茅「もー!那月さん!揶揄わないでください!」

ー恋人の日(6月12日)にちなんで、恋人(気になる人)の前で、つい出してしまう癖は?

茅「……癖…か…」

那月「………………茅はいつも俺の顔見ようとしてくる」

茅「なっ!だって…好きな人の表情はずっとみたいじゃないですか…那月さんはどうなんですか?」

那月「……………秘密」

茅「……っずるい!」

ー読者・ファンへのメッセージをお願いします!

ここまでよんでくださりありがとうございます!「焦燥アンチトラガス」をよんでくださる読者の皆様のおかげで描く気力が湧いてきます!これからも楽しんで読んでもらえるよう頑張ってまいりますので、是非応援していただけると嬉しいです!本当に!

時にぶつかり合いながらも、お互いを「特別な存在」として認め合っていく那月と茅。最新話を読めば、先生のお気に入りシーンに込められた「尊さ」をより一層深く感じられるはずです。これからも加速していく2人の恋模様から、ますます目が離せません。たけはらひなこさん、素敵なお話をありがとうございました!

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